去る11日で未曽有の被害を出した東日本大震災の発生から7年を迎えた。石垣市内では石垣市や民間団体が主催し例年行われてきた追悼・復興祈念式が、市長選の投開票と重なったことからか、行われなかったことは寂しい▼だが、ことしは去る1日深夜に西表島付近を震源とする最大震度5弱の地震が発生しているだけに、地震の備えについて改めて考えさせられる▼住友生命保険相互会社が「わが家の防災」をテーマに全国の20~60代の男女1000人を対象に実施したアンケートで、備えが必要な災害として約8割が「地震」を上挙げた▼だが、実際に家庭で実施している防災対策は5割以上が1年以上前から「特に何もしていない」と回答。防災意識に行動が伴っていない結果が出た。食品や飲料水の備蓄は3日分が最多だった▼先日、気になる記事を目にした。原発事故が発生した福島県産の米が現在でも全国平均と比べ安い価格で流通しているという▼放射性物質の検査で2015年以降、国の基準値を超えるものは出ていない。しかも99・9%が基準値よりもはるかに低い。だが、消費者に安全が確認されている事実が知らされていない実態があるという。震災から7年。風評被害を無くし、真の復興には消費者一人一人が意識を変える必要がありそうだ。(下野宏一)
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