老朽化や立地などの問題から移転建設が進められていた石垣市消防署伊原間出張所の新庁舎がこのほど、完成した。新庁舎の落成式が26日午後、伊原間の現地で行われ、関係者が北部地区の新しい防災拠点の完成を祝った。新庁舎は旧庁舎の700㍍北側、標高40㍍の高台に位置し、津波災害時の緊急避難場所としても活用される。
旧庁舎が海岸沿いにあり、津波による機能喪失の懸念があったことから国の緊急防災・減災事業債を活用し建設された。
建物はRC造。敷地面積1033・14平方㍍で旧庁舎の2倍、建築面積は317・35平方㍍で3倍に拡充された。3月8日の消防無線移動後、運用が始まる。
落成式では伊原間公民館の獅子舞、伊原間保育所の子どもたちの歌やダンスが披露され地域の災害防除と無病息災を祈願。中山義隆市長ら5人がテープカットを行った。
中山市長は「北部地区の新しい防災拠点として、住民の安心・安全を確保するという消防の使命を果たすとともに、災害に強い石垣市を目指していく」と祝辞。
伊原間公民館の前上里徹館長は「(旧庁舎は)海のすぐそばで万一のとき機能しないのではという不安が払拭(ふっしょく)された。務めを終える跡地も地域活性化のために使っていきたい」と述べた。