石垣市真栄里の土木会社事務所で事務員の女性(52)=大浜=が殺害され、現金や財布などが盗まれた事件で、県警特別捜査本部は12日までに、元従業員で無職の男(38)=登野城=を強盗殺人の容疑で逮捕、那覇地検石垣支部に送致した。調べに対し、容疑者は容疑を否認している。容疑者の右手に傷があったことが家族の話で分かり、自宅アパートの階段や通路で複数の血痕が確認された。捜査本部は、家宅捜索で血痕を調べたほか、車両などを押収した。
容疑者は5日午後4~5時ごろまでの間、事務所内で女性の顔や首などを刃物のようなもので複数回突き刺すなどして殺害し、会社の現金と女性のバッグや財布などを奪った疑い。女性の手には傷があり、襲撃を防ごうとしてできた防御創とみられる。
容疑者の家族によると、事件のあった日の午後6時半ごろ、「包丁で間違って切った。消毒液と包帯はないか」と実家を訪れ、自ら治療して帰って行ったという。
本部によると、同容疑者は去年8月ごろまで同会社に勤務しており、女性と面識がある。会社従業員など関係者への事情聴取から容疑者の疑いが浮上、容疑を固めた。
同部は10日午後10時37分に逮捕し、11日正午から記者会見して発表、12日午前に送検した。容疑者の供述内容、逮捕の決め手となった証拠や凶器など詳細については「捜査に支障がある」として公表を控えた。
本部によると、逮捕の知らせを受け、女性の遺族は「ありがとうございます。これで安心して眠れます」と話したという。