科学実験を用いて災害の教訓を分かりやすく伝える「防災エンスショーin石垣島~次世代に伝える防災力~」(主催・石垣市、共催・石垣島地方気象台、県消防協会八重山地区支会)が10日午後、市民会館中ホールであり、親子連れらが訪れ、実験を通して災害への備えを学んだ。
講師は、防災とサイエンスをかけて名付けた「防災エンスショー」を全国各地で展開する阿部清人氏(㈱MCラボ代表取締役)。東日本大震災の教訓を紹介しながら、身近なものを使って楽しい科学実験を紹介した。
阿部氏は、細長い袋に息を吹きかけ、一瞬で空気を入れるテクニックを披露、口に袋をつけて膨らませようとする子どもたちに圧勝して笑いを誘った。これが浮袋になると解説した。白熱電球と発光ダイオード(LED)の電力を比べる節電実験、ボールやペットボトルをドライヤーで浮かせる空中浮遊実験、ボールに取り付けたひもの長さで揺れの違いを見る地震の揺れ実験なども行った。
火災時には煙から逃げるよう注意を促す一方、ペットボトルや段ボールでつくった空気砲で煙の輪を発射すると、子どもたちは大喜び。空気法で紙コップのピラミッドを倒すと、大きな拍手がわき起こった。
阿部氏は冒頭、「1771年の明和大津波で、石垣島は日本で一番高い津波が来たところ。備える必要がある」と話した。
石垣島地方気象台の森宗一郎台長は「自分の周りで起きるさまざまな現象を調べてもらいたい」と呼び掛けた。