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石垣市 循環型社会構築進む

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「液肥」「液肥+堆肥」「化学肥料」のパターンで栽培されているサトウキビについて説明を受ける関係者ら=9日夕、名蔵

 し尿処理施設内で2015年3月から小型メタン発酵テストプラントを稼働させている石垣市は昨年7月下旬以降、観光関連事業7者の協力を得て生ごみを収集して原料を確保するとともに、メタン発酵後に出る農水省登録の有機液肥を使った農産物の実証栽培を進めている。水稲では化学肥料と同程度の収量・品質が確保できることを確認。ゴーヤ、カボチャについても栽培実験を続けており、18年度からは生ごみ回収から液肥利用作物の提供・使用という「小さな循環」を始める考えだ。

 観光客増加に伴うごみ処理量の増加、し尿・浄化槽汚泥の処分費用の増加、家畜排せつ物の増加などを受け、これらをバイオマス資源として利活用し、メタン発酵後の有機液肥を化学肥料の代わりに使うことで、自然環境にも農業にも優しい資源循環型社会の構築を目指す取り組み。小型プラントでの実証実験を成功させ、本格的な実機導入の可能性を探る。

 一方、生ごみの確保、液肥の効果、散布方法などが課題となっており、市は本年度から事業系生ごみの分別収集方法の検討、液肥を使った栽培実験、液肥利用作物の検討などを行っている。

 市は9日午後、市健康福祉センターで説明会を開き、これまでの取り組みを報告したほか、生ごみ分別協力事業者と液肥利用農家も募った。約80人が訪れ、関心の高さをうかがわせた。

 報告によると、事業系生ごみは7事業者から分別の協力が得られ、昨年7月下旬から12月までに約23㌧を回収、プラントに投入した。これにより、給食センターからの生ごみ投入が停止する夏休み期間も原料を確保することができ、メタンガスの発生を維持することができた。

 有機液肥を使った栽培実験では、水稲のほか、サトウキビでも堆肥を加えれば化学肥料よりも生育が良く、収量増が期待できるとの中間報告があった。液肥は無料のため、どの作物の栽培でも肥料代の軽減につながるが、液肥を効率よく散布できる方法が課題に挙がった。

 市農政経済課の担当者は「バイオマスは、例えば昔、生ごみを養豚に使っていたように、現代技術を活用して少しだけ昔にさかのぼるもの。地域全体で取り組むことで大きな効果が出る」と今後の取り組みに協力を求めた。


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