敬愛する八重山のたこ製作者が相次いで亡くなった。八重山凧愛好会の二代会長を務めた元NTT社員の内間康祐氏(享年81)と元那覇市職員の黒島良信氏(同66)の2人。共に好んで八角たこを作った▼内間氏は寡作。かっこいいたこを目指して、たこ骨の長短を微調整、描く丸の拡大縮小を試み空で大きく見えるように創意工夫を重ねていた。新築や子どもの誕生祝いの飾りだこも喜んで応じていた▼黒島氏は多作で年に2000枚余も作ることもあり、それを県下の小学生にプレゼントしていた。竹は那覇市内のホテルの門松をもらい受けて加工、休みの日はたこ作りに没頭。丸い図案も色塗りでは間に合わないので色紙を切り抜いて貼り付けるなどの工夫をしていた▼そんなたこは伝統でないと言う人もいたが、それは当たらないと思う。伝統とはその時代の人々の考えや好みなどで革新されていくもので後世の人が昔のままの素材や作り方に拘泥してしまうと、たこ文化の創造発展の芽を摘みかねない▼たこは形と骨組みが継承できていれば良しとしたい。私たちは現在、竹の代わりにカーボンやグラスファイバー、紙の代わりにビニールや布地も使う。軽く丈夫にして風の有無や多少の雨に関わらずたこ揚げしたいから▼本日のマラソン応援凧あげ隊も風雨との駆け引き。(仲間清隆)
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