趣味で落語をしている伊原間中学校2年の上地貴海斗(きみと)君(13)が21日午後、八重山厚生園(慶田盛誠園長)を訪れ、演目「そば清」「めかうま」を披露したほか、手作りのプレゼントを贈り、利用者約40人を喜ばせた。
上地君は、同校の特別支援学級に在籍。小学3年の時にテレビで落語の演目「寿限無」を見て面白いと思い、始めたという。5年目を迎え、レパートリーは8演目に。11月には伊原間中の文化祭、12月に母校の野底小でも「田能久(たのきゅう)」「まんじゅうこわい」も発表した。
この日、上地君は扇子を使いながら表情豊かに演目を披露。大食いを自慢する清兵衛と謎の薬草について描いた「そば清」では、上地君のそばをすする音に利用者が「おいしそうだな。食べたいな〜」とうなるほど。演目が終わるたびに盛んな拍手が送られた。
上地君はこの日のために松ぼっくりなどを使った手作りのクリスマスツリーの置物を約50個製作し、利用者に配布した。
慶田盛園長は「素晴らしい落語を聞かせてもらった。楽しい時間をありがとう。芸を磨いてまた来てほしい」、同園生活相談員の川平京子さんは「耳が遠い人や目が悪い人が多く不安もあったが、上地君がゆっくり話すことを意識してくれた。利用者が楽しんでいてよかった」と話した。
上地君は「みんなが笑ってくれてよかった。今後も続けて、またこういう形で落語をしたい」と意欲を語った。