琉球大学附属図書館・同大学博物館(風樹館)主催の講演会「イリオモテヤマネコと水の島」が17日午後、石垣市立図書館2階視聴覚室で開かれた。琉大理学部教授の伊澤雅子氏が、ネコ科が生息する世界最小の島・西表島で進化を遂げたイリオモテヤマネコの生態を紹介した。
伊澤氏は1982(昭和57)年にスタートした研究結果を基に、イリオモテヤマネコの特性や社会構造などを説明。「食物連鎖に関わらず、ヤマネコはなぜ284平方㍍と小さな島で生息できるのか」と投げかけ、西表島の▽湿潤亜熱帯▽琉球弧の地史ーを土台に生物の多様性が育まれ、ヤマネコの▽幅広い食性▽水域の利用ーにつながったと解説した。
近年は個体数の減少が著しいとして、西表島内での安全運転、島内観光時のルールづくりの重要性も指摘した。
講演会は、市制施行70周年記念事業の同大附属図書館・博物館企画展「琉球大学資料にみる 八重山の自然とくらし」の一環として開催された。