これが公明党の役割であり存在意義というものだろう。先月28日の県議会で久し振りに全会一致可決した米海兵隊員の飲酒運転死亡事故に対する抗議決議と意見書のことだ▼米軍犯罪の根源である「米海兵隊の撤退」の文言をめぐり、今回も与野党がばらばらに可決の見通しとなったが、中立の公明が「国外、県外に早期移転」を提案。一転して全会一致可決となったのだ▼そこには度重なる事件事故で県民の命が奪われる現状に、今回は野党の自民も県民の総意を示す必要があると全会一致を目指した機運の中で、中立会派の公明の役割は大きかった▼自公連立の国会では安保法制、共謀罪などで安倍政権のブレーキ役になり得ず、政権埋没が今回の衆院選で六つの議席減の一因と言われるほど落胆させてきた。しかし沖縄では党本部に反して県本が辺野古新基地建設反対を貫き、沖縄色を発揮している▼石垣も同じ自公連立だが、自衛隊配備では3カ月後の市長選を控え、「平和の党」としてしっかり中山市政のブレーキ役を果たしている▼市長は公明党の離反を恐れて受け入れの最終判断を選挙後にずらす考えともいわれるが、要は判断時期の問題でなく、自衛隊を受け入れるか否かだ。公明は“コバンザメ政党”などと揶揄嘲弄されないよう矜持を貫けるか。(上地義男)
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