1947年12月1日に村から町に昇格した与那国町は2日、町制施行70周年記念式典を比川の町離島振興総合センターで開き、町政功労者73個人・3団体に感謝状を贈るとともに今後の発展を誓った。外間守吉町長は「基幹産業である農業・漁業の振興、安全安心な町づくり、人口減少に対応した定住対策など、町民と協働してよりよい島づくりにまい進する」と決意を新たにした。
町昇格当時の人口は5719人だったが、日本の高度成長期を機に人口減少の一途をたどり、現在は1700人余り。外間町長は「しかし、与那国島には、美しい自然や変化に富んだ景観、世界最大のガ・ヨナグニサンや天然記念物の与那国馬など、貴重な動植物が数多く生息する」と町発展の可能性に言及、「自然環境はもとより、先人が大切に育んだ文化、歴史的な遺産を守り育て、さらに住みよいまちづくりを行い、子や孫に新たな時代へと引き継ぐことが私たちの務めだ」と述べた。
70年の歩みを振り返りつつ、大きな変革として自衛隊配備と海底光ケーブルの開通を挙げ、光ケーブルについて「情報格差が解消される条件が整備され、観光、教育、医療、福祉、防災など町の発展に欠かせないさまざまな分野での活用が期待される」とした。
田里千代基議長もあいさつし、「安心安全に暮らせる国境のまちづくりに向け、議会としても住民福祉の向上に努力する」と述べた。感謝状受賞者を代表し、前楚良昌氏は「栄誉を素直に喜び、賞に恥じないよう地域の活性化、社会福祉の向上に誠心誠意努力したい」と思いを語った。
式典には沖縄総合事務局の能登靖局長、八重山市町会の中山義隆石垣市長らも出席、祝辞を述べた。
最後は、町自治公民館連絡協議会の鳩間信助会長の音頭で万歳を三唱した。
式典後は祝賀会に移り、5公民館が伝統芸能や余興を披露し、盛り上がりをみせた。会場の敷地には5公民館の旗頭が立てられ、祝賀ムードを演出した。