第57回県児童・生徒科学賞作品展(県理科教育協会主催)の中学校の部で、石垣中3年の田渕鈴夏さん(15)が名蔵アンパルをテーマに継続した研究で小学4年から6年連続の入賞を果たした。出品対象者は中学生までだが、田渕さんは「市内の高校に進学し、生物部に入って研究を深めていきたい」と意欲をみせている。
田渕さんは2012年と13年に佳作、14年に最優秀賞、15年に優良賞、16年と17年に優秀賞を受賞した。
小学2年から研究を始め、4年で名蔵アンパルの干潟に住む生き物、同5年で赤土、同6年でアンパルの水系などを調べてきた。
中学校からは、マングローブに生息する巻き貝のキバウミニナに着目し、主に食性を調査。ことしは産卵に興味を持ち、満潮時のキバウミニナや、卵塊がある場所などを調べ、内容をまとめた。
田渕さんは郷土芸能部にも所属。民謡「アンパルヌミダガーマユンタ」の舞台にもなっているアンパルには、部活動が休みの日や夏休みに通った。調査には同校の唐真盛人教諭(31)と宇根東杜(あがと)教諭(25)が同行してアドバイス。田渕さんは「一緒に行って、いろんなことを教えてくださり、本当に感謝している」と話す。
これまで何度か研究を終えようと思った時もあったが、その度に疑問が湧き続けてきたという田渕さん。高校では「キバウミニナの産卵時期や、月の満ち欠けが影響するのかなど、研究してみたい」と意気込んでいる。
唐真教諭は「研究だけでなく、学校生活でもいろんなことに挑戦している。今後もいろんな生き物を見て、興味のある分野に取り組んでいってほしい」、宇根教諭は「興味のあるものにとことん取り組む姿勢があり、探求心が強い。研究を継続しながら、成果を後輩にも伝えてもらえたら」と期待している。