反響に驚いた昨年の老人芸能大会。政治家と物乞いは3日もするとやめられないとのアイロニーは有名だが、市民会館の大舞台も一度踏むと病みつきになる。そんな訳での留任ではないが今年も役員全員が居残り出演する▼昨年は歌謡曲に振り付けた「出世街道」。その後、何かと友人知人に持ち上げられ、地域の集いなどで再三踊らされた▼今年は一転、伝統芸能に挑む。宮良は盆送りの翌日にイタシィキィバラという行事があり七月念仏巻き踊りに続く座興のアンガマがある。アンガマはウシュマイ、ンミーが登場せず、昔は地謡がかきならす民謡、流行歌、童謡などに老若男女が闇に乗じて飛びだし、独自の振り付けを競う晴れ舞台だった▼その名残は、現在も少しは受け継がれているが、舞踊研究所の増加とともに定型化し様変わりした。本日はイタシィキィバラ行事を舞台用に構成し、七月念仏巻き踊りに続いて地域の代表曲・めでたい節、宮良川節、ヨーホー節を踊ったあと、全員でモーヤーを披露する▼そのモーヤーの当て振りに宮良の古き良き時代のアンガマ衆の所作などを感じてもらえたらと思う▼ともあれ、演歌の創作とは違い島の人々が普段から見て知っている古典を踊るだけに、おろそかにできず仕事は二の次で家や牛舎でのけいこも昨年の倍。(仲間清隆)
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