心のこもった美しい日本語はどこへやら。またもや国会議員から殺伐とした言葉が発せられた▼日本維新の会の足立康史衆院議員が加計学園問題を取り上げた朝日新聞の社説に絡んでツイッターで「朝日新聞、死ね。」と書き、さらに「拡散歓迎」と投稿。公人で言論の府の一員である国会議員の言葉に「資質が問われる」と批判の声が上がっている▼暴言で思い出すのは7月の東京都議選の街頭演説で発した安倍晋三首相の言葉である。聴衆の「帰れ」「安倍辞めろ」コールに激怒。「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」と声を荒らげ、自民党が首都決戦で歴史的大敗を喫する要因となった▼かたや先の衆院選では希望の党の代表だった小池百合子・東京都知事が、民進党出身者の受け入れ公認をめぐり「排除」という言葉を使った。結果的にこの言葉が有権者の反感を買い、選挙戦で惨敗した▼政治家は、時の言葉でその力量が問われるとも言われる。昨今、特権意識が際立ち、およそ国民目線からかけ離れた高飛車な言い方をする方が何と多いことか。政府も言葉の問題を閣議で取り上げてみたらどうか▼殺伐とした言葉、聞く者の心に残るのはむなしさだけである。政治家の皆さんは、常日ごろからその場にふさわしい言葉の大切さを忘れてはなるまい。(鬚川修)
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