「おはようございます」。出勤前にあいさつを何回しているのか、数えてみた。本日は68回、予想以上に多かった▼自転車で朝の「散歩」を楽しんでいるが、さまざまな人に出会う。ウオーキングを行っている夫婦や出勤途中の人、釣り人などだが、出発を10分早めたり、遅れたりすると、すれ違う人の顔が違う▼同じなのは小学校前で交通整理をしているボランティア。建設会社や自動車修理工場の社長さんたちで、先日は雷が響く豪雨の中で、全身ずぶぬれになりながらも子どもたちを誘導していた▼新聞で表彰されている姿を何度か見たことがあるが、実際に毎日出会うと頭が下がる。子どもたちの安全を見守りつつ、率先してあいさつ運動を指導している。見ていて心がなごむ▼朝の散歩が楽しい理由の一つは、すれ違う人々とのあいさつだ。声をかける人や会釈する人、手をあげる人とさまざま。それが実に心地よい。ただ、出会う人の中に1人だけ反応のない人がいた▼仕事をリタイアして数年か、と勝手に想像している男性で、あいさつが「空振り」続きだった。ところが昨日朝、声をかけると「おはよう」と返事が返ってきた。驚いた。照れ屋であいさつのタイミングを探っていたのかもしれない。うれしかった。この一言で、すがすがしい一日がスタートした。(黒島安隆)
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