台湾の台北市立第一女子高級中学に「緑衣使節」というグループがある。海外などから同世代の若者が来校すると、交流の手伝いをし、学校紹介を行ったりする▼八重高卒の本原泉さん(57)の引率で台湾を訪れた県内の高校生が9日、同校と交流(本紙16日付7面)し、そこでも緑衣使節が活躍した。日本語が話せる生徒も何人かいた▼沖縄の子どもたちが台湾の学校を訪れる機会は多い。八重山商工高校が今年3月に花蓮高級農業職業高校を訪れた時は、花蓮の生徒が日本語で学校紹介を行った。花蓮は、台湾のなかでも先住民(原住民)が多い地域。先住民は日本語を解す人が今も比較的多いという背景に加えて、発表の能力も高いのだろう▼では、言葉はそんなに大事なのか▼9日の交流では、台湾の生徒がひらがなを書く姿が印象的だった。沖縄の生徒が付きっきりで、英語と身振りで筆の運び方を伝えていく。作品が出来上がると、みんなで一緒にスマホでパチリ。交流の後は、互いに顔を寄せ合ってSNSで連絡先を交換し、「次の予定があるので、早く移動して」と言われてもなかなか動こうとしない生徒たちも▼八重山にも「緑衣使節」のようなグループがあればいいと思う。ただ、意思疎通のツールは多様化している。うまく使って異文化交流だ。(松田良孝)
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