厚生労働省の健康づくりについて優れた取り組みを行う企業・団体などを表彰する「第6回健康寿命をのばそう!アワード」の生活習慣病予防分野で町立竹富診療所(石橋興介医師)が厚生労働大臣最優秀賞に輝いた。石橋氏は「日ごろ島民が頑張って取り組む健康づくりが評価された。県単位での参加が多かったなか、島民約360人の小規模な取り組みが選ばれるとは夢にも思わなかった」と喜びをにじませ、竹富島民への感謝の思いを語った。
同アワードは生活習慣を改善し、健康寿命を延ばすことを目的に同省が実施する国民運動「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環。ことしで6回目の開催となる。
13日午後、東京都内で上位9団体の最終審査が行われ、石橋氏らは「ぱいぬ島健康プラン21 in 竹富島~健康長寿復活を目指した小さな島の取り組み~」と題してプレゼンテーション。
同診療所と竹富公民館、町行政、島民らが一体となり展開している▽体を動かす健康づくりの6事例▽心と頭の健康づくりの7事例ーなどを紹介した。
同日の表彰式では、加藤勝信厚労大臣が賞状を授与。加藤厚労大臣からは「竹富島のような小規模コミュニティーの取り組みは国の目指す形」の言葉が寄せられ、今後、各自治体のモデルケースとしての期待も大きい。
石橋氏は福岡県出身で、2015年4月に同診療所に着任した。
全死亡者に対する65歳未満の死亡率が男女ともに全国ワースト1位という沖縄県の不名誉な事実背景に「著しい生活習慣の乱れがあるのでは」と考え、医療資源に限りがある島しょ部では疾病予防の重要性が増すと着目。「地域の医療は自分たちの手で」をモットーに、島民参加型の健康づくりに取り組んでいる。
石橋氏は「診療所を支援する会の呼び掛け、島の小規模特性ゆえに家族のような関係性で取り組めている。今後は同アワードで学んだ事例も参考に、アルコール摂取への意識改善も島から発信したい」と述べた。