【小浜】国の重要無形民俗文化財に指定されている小浜島の結願祭が9日、嘉保根御嶽で開かれ、地域住民や郷友、観光客らが島の一大行事を堪能した。北集落のミルク(弥勒)、南集落の福禄寿をはじめ、両集落が太鼓や獅子、棒、狂言など多彩な伝統芸能のほか、面をかぶった4人の「ダートゥーダー」も7年ぶりに登場した。小浜島の結願祭は、ことしの豊作を感謝し来年の五穀豊穣(ほうじょう)を願う伝統行事。2007年に「小浜島の芸能」として、ソーラ(旧盆)や種子取祭とともに一括して同文化財に指定された。
結願祭は午前9時ごろ、ミルクと福禄寿が、人々を引き連れて集落内を練り歩き、嘉保根御嶽に到着。
庭の芸能では、ミルクと福禄寿を先頭に座回り(ザーマーリィ)をし、太鼓や獅子、棒などが次々と奉納。棒では、なぎなた(マイヌヤラ)や山刀(ヤマガラス)のほか、赤いふんどし姿で大きな竹棒を持った3人が演じるユーモラスな「三人棒」なども披露され、観衆の注目を集めた。
終了後は、中央に舞台を設置し、神に拝礼した後、舞台の芸能がスタート。ザーマーリィの後、北が「グジンフー」「マミトーマ」「稲摺り節」、南が「赤馬節」「夜雨節」「目出度節」などのほか狂言やシュンギン(祝儀)の演目を交互に繰り広げ、幕あいには客席から喝采や乾杯の発声が起こった。
小浜公民館の大久英助館長は「先人が築き上げた素晴らしい伝統文化を、後世に継承し、さらに発展させていきたい」とあいさつした。