石垣市で2016年度に発生した養護者による高齢者虐待認定件数が8件と、08年度、09年度とならび過去最多だったことが分かった。石垣市地域包括支援センター(長嶺孝子所長)が7日に市健康福祉センターで開いた高齢者虐待防止研修会で報告した。17年度(10月末現在)の認定件数は4件となっている。同センターの齋藤弘美社会福祉士は「何かおかしいと思うことがあったらお知らせいただき、一緒に解決方法を考えていきたい」と話している。
同センターによると、施設虐待は16年度が認定2件、通報3件。17年度(同)は認定が0件、通報が1件となっている。17年度の相談件数は10月末現在で施設従事者1件、養護者11件に上っている。
研修会では、NPO法人ミニケアホーム「きみさんち」理事長の林田俊弘氏が講演。
林田氏は虐待の種類として感情の爆発を伴い、暴力や暴言が出る「ぶち切れ型」と、人の尊厳を侵食する「もてあそび型」を説明。「特にもてあそび型は、人権や尊厳をむしばんでいるにもかかわらず罪悪感がなく、常態化するため、防ぎにくい」と強調した。
虐待予防に有効な取り組みとして▽ミーティング▽面談▽研修ーなどを挙げ、「コミュニケーションを取れるチームを作ることが重要。職場に戻ったら虐待は絶対に起こさないということを口に出してほしい」と呼び掛けた。不適切なケアチェックリストなども紹介した。
同研修会は、15年度に初めて施設の虐待認定と通報があったのを機にスタートし、今回は延べ5回目の開催。