衆院選沖縄4区は石垣島への陸上自衛隊基地配備計画に賛成した西銘恒三郎氏(63)=自民公認、公明推薦=が、配備反対の仲里利信氏(80)=無所属=を退け当選を果たした▼石垣市での得票数は西銘氏が9919票、同じく配備に賛成した富川泰全氏(38)=幸福実現党=の728票を加えたのが推進派の得票となる。これに対し、戦争につながるものとしての基地の配備反対を訴えた仲里氏は9098票を獲得している▼選挙で、はっきりと民意は出たのか。得票結果を受けて中山義隆市長は即座に「自衛隊配備問題に対しての民意が出たと思う」との認識を示した。確かに前哨戦の衆院選においては配備推進派が勝利したことは事実▼しかし、これをもって即、受け入れ表明となるようでははなはだ疑問が残る。やはり賛成、反対の双方が納得する最終決着は、自らの信を問う来年3月の市長選であるはずだ▼戦争は戦争に導く政治家と、その政策を支持する国民の相互作用によって起こるのは自明の理。双方とも戦争のない石垣島にしたいから「国防の島」「軍備増強で平和はつくれない」と賛成、反対を明確にしている▼石垣島の運命は、与えられるものではなく自分たちで決める。陸自配備は決してあとで知らなかったことや欲望が招いた選択にしてはならない。(鬚川修)
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