中山義隆石垣市長は11日、市議会3月定例会本会議で2期目の初年度に当たる2014年度の施政方針演説を行い、新年度予算案を提出した。下水道への接続工事費を一部補助する新規事業などを示したほか、市長選で強調した「待機児童ゼロ」の実現に2年間で取り組むと明言した。中山市長は「石垣島の魅力を高め、島の中にありとあらゆる可能性を生み出していくことが2期目の大きな目標だ」と述べた。
接続工事費補助は公共下水道と農業集落排水事業の供用開始地区で3年に限定し、5~10万円の補助を予定している。30万円を上限とした無利子の貸付制度と併用して接続率向上を目指す。県の補助金(2分の1)を受け、当初予算案に1400万円を計上した。
待機児童ゼロに向けた対応では、認可外保育施設の認可化促進や既存認可保育施設の増改築により定員増を図るとし、「本年度から来年度にかけて実現に取り組む」と述べた。
市役所庁舎の建て替えについては「建設位置、事業手法などを含む基本計画の策定を市民意見などを拝聴しながら進め、災害に強い市役所を目指す」とした。防災対策では、白保地区で避難場所までの避難道を整備する。
環境分野では、希少野生動植物の保全種と地域指定を検討するほか、雨水貯水タンクなどに対する助成制度を導入。新火葬場については16年度の供用開始を目指す考えを示した。
保健福祉関連で、男性のがん予防対策として新たに前立腺がん検診の費用を一部助成する。北部地区での小規模多機能型居宅介護事業所の整備を進める。発達支援システムの構築にも言及した。
観光分野で「地元消費額向上」「ボトム期解消」「受け入れ満足度の向上」を3本柱として施策展開に取り組む考えを示した。
第1次産業では「新食肉センターを活用し、海外マーケットも視野に入れた流通体系、安定供給体制を構築する」としたほか、魚介類など陸上養殖施設の推進も掲げた。
教育関連では、第3子以降に限定している学校給食無料化について「第1子、第2子への無料化は、財政状況を考慮しながら取り組んでいく」と述べるにとどめた。
このほか、登野城小学校の建て替え工事の実施設計とやえやま・おおかわ幼稚園移転に向けた計画の推進、みやとり・みやまえ幼稚園の移転構想を踏まえた石垣小学校の建て替え基本計画の策定を盛り込んだ。
行財政改革について外部委員による評価の実施を明言した。
石垣市にとっては今年は八重山村から分村して石垣村となってから100年、大浜町との合併から50年の節目に当たる。