【黒島】竹富町立黒島診療所の田中勝一医師が3月末で自主退職することが分かった。町健康づくり課によると、後任の医師が確保できず、当面は地域医療支援機構に代診を依頼して対応するが、常駐医が不在となる事態は避けられない状況。
田中医師=福岡県久留米市出身=は、2006年10月に常駐医として着任。7年5カ月にわたって地域医療を支えてきた。
同課によると、2月上旬までに田中医師から退職の申し出があり、県病院事業局に医師の紹介を依頼したが11日の時点で確保のめどはたっていない。
同課の與那覇忠課長は「以前の不在期間は石垣から医師に通ってもらうことで対応した。今回の常駐医の不在期間は同様の形で対応するとともに、県に相談しながら医師の確保を図りたい」と話した。
同診療所は医介輔(いかいほ)の城田信廣氏が1950年に開設。2003年に城田氏の高齢で休止され、田中医師が着任するまでは石垣市内からの巡回で週1回の診療が行われてきた。
黒島公民館の宮良正章前館長(68)は「突然のことに驚いている。公民館で相談して、町役場にも医師確保をお願いしているが決まっていないようだ」と述べるとともに、03年からの不在時と同様に代診が週1回となった場合について「難しい(対応は十分ではない)。これからは石垣に通うしかないのか」と困惑していた。
町は同診療所の建て替えを進めており、5月には新診療所が開所する予定。