規格外などの石垣島産パイナップルを仕入れてカットパインとピューレに加工している「石垣パイン加工場」は24日から、八重山商工高校情報技術科の生徒16人を就業体験の一環として受け入れ、労働力を確保している。パインの収穫ピークを迎えている夏場の繁忙期に加工場の稼働率を上げる考え。単月最大の加工処理能力を現状の2.8㌧から3.7㌧への向上を見込んでいる。
加工場では現在、職員3人が加工業務に従事。人手不足が顕著となっているため、新たな人材確保が難しいとして、2月に加工場見学を行った八商工側と調整し、夏休み期間(8月31日まで)を生かして就業体験を実現させた。
就労時間は1日4時間、2人一組のシフト制。時給は750円。運営を行う石垣市商工会が支給する。
就業初日には同科1年の南空さん(15)、仲村虹海(ななみ)さん(16)、仲本長尚(まさのり)君(15)が初出勤。担当職員の指導を受け、収穫されたパインの洗浄やカット作業、1㌔ごとに袋詰めして急速冷凍を行う工程を実践した。
南さんは「加工場の存在は知らなかったが、地元のパインが手作業で処理されて、島内外に流通していることを知ることができたのは貴重な経験。期間中は最後まで頑張りたい」と笑顔をみせた。
同科教諭の松島進科長は「地元の産業を知り、体験することは大事。生産者や加工場、生徒が互いにメリットになることが重要」と話している。
商工会の仲村圭一郎経営指導委員は「人手不足のなかで、人材の確保と育成につなげたい。商工会のモノづくりの分野は生徒の体験に合致する」と期待する。