石垣市制施行70周年記念の「島人カーニバル」(同実行委員会主催)は16日も新栄公園で行われ、最後に登場したBEGINの比嘉栄昇さんらメンバーが、発売開始から15周年を迎える「島人ぬ宝」の誕生に貢献した2001年当時の石垣中学校2年2組の生徒と担任をステージに招き、「当時の出会いがなければ、この歌はなかった」と感謝して15周年記念CD入りの記念盾を贈呈。元生徒たちとともに16年ぶりに合唱すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
「島人ぬ宝」の歌詞づくりで比嘉さんは、卓球でペアを組んだことのある同級生で当時石垣中2年2組の担任だった石垣史昭さん(49)=県八重山事務所総務班主幹=に「子どもたちに島への思いを書いてもらいたい」と依頼、これを参考に歌詞を仕上げた。
比嘉さんはステージで「キラキラ光る言葉があった。そんな言葉を集めて歌詞を書いた。島人ぬ宝があるのとないのとでは違ったと思う」と感慨深げ。
2年2組41人のうち級長だった長浜徹さん(29)=新川=ら生徒15人と石垣さんがステージで紹介され、比嘉さんの歌に合わせて口ずさんだ。
長浜さんは「12年間、東京で暮らし、ことし1月初めにUターンしてきたが、東京では島人ぬ宝にたくさん助けられた。歌を聴くとホッとした。島の景色を思い出させてくれた。この歌がこんなに大きくなるとは思っていなかった。本当にうれしい」と話し、下地エリカさん(29)=真栄里=も「大満足。あらためて2年2組で良かったと思う。一生の思い出になる」と感激した様子だった。
担任だった石垣さんは「彼らには島人ぬ宝が根っこになる。これがあるので頑張れると言うのを聞くと、うれしくなる。島人ぬ宝が末永く愛されてほしい」と願った。
これに先立つ「昔馬車道コーナー」では、比嘉さん自らが発起人を務めた石垣市の2016年度「島人ぬ宝さがしプロジェクト」で作詞作曲した「昔馬車道」に、女性舞踊家約20人でつくる「あん美ら会」が考案した振り付けを、当時馬車道を利用していた地域にある崎枝小中、川平小、名蔵小の児童生徒67人が同会のメンバーとともに披露するなど、島を題材にした新旧の曲でカーニバルを締めくくった。
「昔馬車道」の舞台は、名蔵アンパルにある馬車道跡。同プロジェクトで新たな名所の一つに選ばれている。