南ぬ島石垣空港が昨年3月7日の開港から1周年を迎えるのを前に、中山義隆石垣市長は5日、八重山毎日新聞などのインタビューに応じ、「今年は新たに台湾に台北事務所をつくりたい」と述べ、現地との情報交換を密にした経済交流に取り組んでいく計画を明らかにした。時期については「新年度から行いたい」とした。11日の市議会本会議に、事業費を盛り込んだ新年度予算案を提出する。
市長によると、台北市に事務所を設置し、担当職員を配置する予定だ。「担当者が勤務することで台湾とのコネクションをつくることができる。旅行社や航空会社と直接交渉ができ、こちらから売り込みたいときにすぐに行動ができる。台湾のお客さんのニーズを把握し、情報発信ができる」と説明した。
南ぬ島空港が開港して以降、台湾から2社が定期チャーター便を就航させたが、商品造成の難しさや冬場の観光資源の乏しさなどから運休した経緯があり、台湾側との連携に課題があると指摘されていた。
海路では台湾からクルーズ船が毎年、半年にわたって寄港しているほか、今年6月中旬からは琉球海運の貨物船が博多―鹿児島―那覇―宮古―石垣のルートで運航する計画もある。
台湾との交流を推進している八重山経済人会議の大浜一郎代表幹事は「石垣島特産品拡め隊が台湾で2月に観光物産展を開催し、貨物船も就航する計画があるなど、観光と物産の交流の素地が広がりつつある。沖縄全体の外国人観光客を増やすには石垣空港が欠かせない。現地で交渉、連絡などができる機能があると、細かい積み重ねができる。事務所設置は画期的なことで、ぜひ推進してもらいたい」と話した。