25日に環境省で開かれた第48回全国野生生物保護実績発表大会(環境省、公益財団法人日本鳥類保護連盟主催)で、八重山高校生物部(山田桜部長、部員6人)の「石垣島におけるヤシガニの研究~保護条例制定に向けて~」が環境大臣賞、竹富町立古見小学校(真喜志昇校長)の「チョウの生態調べ~チョウ観察を通して分かったこと~」が林野庁長官賞に輝いた。八重高生物部の受賞は初めて。古見小は1996年の環境庁長官賞に続く受賞となった。
大会は、子どもたちの野生生物保護への関心と理解を深める機会にするのが目的。今年は全国から4小学校、1中学校、5高校の計10校が出場、それぞれのテーマで研究成果を発表した。
八重高生物部は2007年から行っているヤシガニの研究の中で、石垣島のヤシガニが小型で減っていることや、養殖には向かないことなどを突き止め、保護条例制定のための活動を昨年から実施。 昨年の学園祭では、これまでの研究結果やヤシガニの実物を展示したほか、来場者にアンケートを実施し、市民の意識や関心を確認した。
また、市長とのランチミーティングで保護条例の制定を直接提案。現在、石垣市は特別予算を組み、制定に向けて取り組んでおり、校内外で自発的な活動を展開したことが評価された。
古見小は1994年から20年間、チョウの観察と保護活動に取り組んでいる。羽の模様や生息地、特徴などを調べて食草マップを作成したり、チョウの発生率や食草などの調査を継続的に行っていることが高く評価された。
26日夜、空路帰島した八重高生物部の山田部長(3年)は「ヤシガニを食べるという食文化を大切にしながらも、保護するという意識をたくさんの人に持ってもらうために今後も活動を進めていければと思う」、金城茉奈さん(同)は「とてもうれしい。これまで研究してきた先輩方と一緒に受賞できればもっと最高だったと思う」とそれぞれ感想を語った。
同校の本成浩校長は「中身や発表力が認められた結果だと思う。活動の積み重ねを後輩にもつなげていってほしい」と激励した。