お世辞とごますりで米大統領の歓心を買い、有頂天の安倍首相に突然のスキャンダルが飛び出した。首相の妻昭恵さんが名誉校長を務め、今年4月に開校する私立小学校の用地取得に絡む疑惑だ▼大阪の学校法人「森友学園」が昨年、同小学校用地として豊中市内の国有地約9000平方㍍を取得したが、その額が隣接国有地の10分の1の1億3400万円と超格安の上に、その不透明な経緯や首相との関係が野党の追及を受けているのだ▼同学園の幼稚園児に戦前の「教育勅語」を暗唱させる同学園理事長は、首相の支持基盤である「日本会議大阪」の運営委員であり、当初は「安倍晋三記念小学校」の名目で寄付を募っていた▼国会で安倍首相は、「小学校の認可や払い下げに関与があれば首相も国会議員もやめる」と関与を全面否定していたが、癒(ゆ)着や疑惑は徹底的に解明されるべきだ▼それで安倍首相が退陣となれば、理不尽な沖縄いじめも軍拡もブレーキがかかり歓迎すべきだが、さてどうなるか▼石垣では中山市長が自衛隊に広大な市有地を差し出そうとしているが、私たちの大切な共有財産を戦争のために提供するのはご免だ。市有地は市長や与党議員らの「私物」でない。18日の「標的の島風かたか」上映会は反対運動の着実な広がりを実感した。(上地義男)
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