野外音楽イベント「SPRING TRIPPIN ISHIGAKI(スプリング・トリッピン・イシガキ)」(主催・ツンダミ野外フェス実行委員会)が18日、南ぬ浜町緑地公園で開催され、BEGINの比嘉栄昇さんが「島人ぬ宝さがしプロジェクト」で選ばれた新たな名所をテーマに作詞作曲した「昔馬車道」を振り付けとともにお披露目した。
イベントは「日本最南端の音楽の都、石垣島から全国に先駆けて日本一早い春フェスを」との企画で、11月25日のツンダミフェスタのキックオフイベントとして開催。実行委員長の中山義隆市長は「ぜひツンダミフェスタにも参加してもらいたい」と呼び掛けた。
イベントは午前11時半から始まり、高校生バンド、カミアワズ、ヤバイTシャツ屋さん、PUSHIM、ゆるめるモと続き、比嘉さんのライブでフィナーレを飾った。会場には出店、ものづくりワークショップもあった。
■新たな島の名所
地域の歌と踊りでつないで
「島人ぬ宝さがしプロジェクト」で新たな名所として選ばれた「昔馬車道」に歌と踊りがついた。新たな八重山民謡として披露され、軽快な歌と踊りに盛んな拍手がわき起こった。作詞作曲したBEGINの比嘉栄昇さんは「昔の歌を大事にしつつ、新しい歌を作っていくのが僕の使命。昔馬車道が地域の歌、踊りとしてこれから先につなげてほしい」と願う。
「昔馬車道」の舞台は名蔵アンパル。崎枝で飲食店を経営する石垣喜幸さん(42)・千彩さん(46)夫妻が名蔵大橋に車を止めてアンパルを眺めていると、人工物を発見。千彩さんが義父に聞いたところ、橋がない時代の馬車道だと判明。当時は丸太が敷かれていたが、今は土台の部分だけが残っており、「自然の時の流れというものを感じることができたら」と応募した。
千彩さんは「潮の満ち引きという自然を取り入れた生活をしていた生活に魅力を感じる。これが歌になり、民謡になってなおさらグッときた」と感激の様子。喜幸さんは「先人が残した大事なもの。地域の豊年祭や学校の運動会、発表会で踊ってくれたらと思う」と期待する。
振り付けは、流派を超えて新しい舞踊などに挑戦している女性約20人の「あん美ら会」が行った。歌詞の情景が浮かぶよう案を出し合って完成させた。比嘉さんから依頼を受けた東川平八重子さん(48)は「昔から大事にしているものを歌や踊りで伝えていくのが私たちの役目。新しい歌と民謡が引き継がれるようにしたい」と喜んだ。