石垣市は13日までに、旧石垣空港跡地で建設する新庁舎の基本設計案をまとめ、各課の配置をほぼ確定した。1階には市民の利用頻度の高い窓口業務の部課のほか市民広場、食堂、売店など来庁者も憩える空間を確保。2階には企画部門など専門性の高い部課をレイアウトした。設計業者側の提案段階で1階に位置づけられていた議場は、1階を市民利用の空間として優先するとともに、議会の要望も受けて3階に。市は19日午後2時から、健康福祉センターで基本設計説明会を開催する。
1階は▽市民課▽市民生活課▽介護長寿課▽障がい福祉課▽福祉総務課▽児童家庭課▽納税課▽税務課▽会計課▽教育委員会。市民保健部と福祉部の各課には市民相談室も設ける。
2階は▽総務課▽企画部▽農林水産部▽建設部▽市長室▽庁議室|などのほか、市民が会見場として利用できる記者クラブ室も完備。3階の議場は本会議場、委員会室、市民相談室を設ける。
駐車場は来庁者用259台(軽76台、普178台、障がい者用5台)、公用車・職員用214台(143台、66台、5台)。
市はことし3月末までに、新庁舎の敷地面積3万159・01平方㍍のうち、民有地を除く3万125・94平方㍍(国有地2万4541・78平方㍍、県有地5584・16平方㍍)の用地を取得する。残りの民有地については相続関係がはっきりしないため、家庭裁判所を通して相続人がいるか確認の手続きをとっている。
市は2017年度内に実施設計を終え、建築工事の発注を予定。20年の早い時期の開庁を目指している。
空港跡地は、不発弾が多数発見されているが、新庁舎建設地が県立八重山病院建設に伴って行われる周辺磁気探査事業の範囲内となっていることから、建築工事に際しては不発弾による影響はないものとみている。
総事業費は64億円を見込む。このうち約48億2000万円については緊急防災減災事業債を活用する予定。事業債の70%は地方交付税で戻ってくる。
新庁舎は、伝統的な石垣のコミュニティーを引き継ぐ「集える庁舎」をイメージ。19日の説明会では基本設計の概要のほか、隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾氏が設計コンセプトも説明する。