まちなかじゅんかんバスに乗ってみた。辛口の友が「エアバス」と評するあれ。乗客が少なく「空気を運んでいる」らしい▼13年10月から運行しているから4年目。桟橋通りから西側市街地、約12㎞、31バス停を44分で巡っている。同じ路線を時計回りと反時計回りに、平日なら24本走る。13年2月、実験運行した結果、移動手段を持たない交通弱者の需要があると見込んだ▼路線上では30分に1回、バスに会える。だから乗客の少ないのが余計に目立ち、赤字が心配になる。運転手さんによれば、乗客は離島ターミナルや新川方面から八重山病院に通う人が中心という。ターミナル出発時、乗客は3人。新川小学校で1人、スーパー前で1人降り、あとは一人旅▼少ないけれど交通弱者は確実にいる。高齢運転者の交通事故多発の報道を思う。テレビは高齢者の運転免許返上を簡単に言い募るが、それは交通弱者と買い物難民を生む。その暮らしの深刻さが想像できないか。誰でも年をとる▼新築工事が進む県立八重山病院、ことし着工する新市役所は空港跡地だ。加えて空港アクセス道路が開通すれば、人やモノの流れも違ってくる▼まちなかバスの路線や需要も変わるに違いない。数は少なくても必要とする乗客がいる限り走ってほしい。がんばれ、まちなかバス。(慶田盛伸)
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