伊野田集落の女性たちが地元で育てた野菜などを販売する「伊野田おっかあ市」が5日、10回目の節目を迎えた。地域活性化を目的に毎月第1日曜日に伊野田集落センターで開かれている手作りの催し。同市をきっかけに集落の50、60代の住民が、石垣市北部農村集落活性化協議会(我喜屋隆会長)の事業で新たに野菜づくりを学び始めるなど広がりをみせている。同市を運営する伊野田地域活性化を考える女性の会は今後も同市を継続し、他の集落とも連携して北部全体の活性化にもつなげたい考えだ。
同市では、集落住民や出身者が出品者となり、それぞれ自宅や畑で育てた野菜や花卉(かき)、手作りの総菜や民芸品を販売している。花卉の種類の豊富さ、野菜の価格の安さを売りに昨年5月から開催している。
5日の同市では、袋詰めされたトマトやキュウリ、ホウレンソウなどが100~150円で並んだ。早々と売り切れる商品もあり、出品者は「うれしい」と悲鳴を上げ、急きょ収穫に赴いて補充していた。
この日、初めて同市に足を運んだという長嶺園子さん(58)=川原=は「野菜が大きいし安い。また来たい」と笑顔をみせていた。
市北部農村集落活性化協の事業の一環として行われている野菜づくりの取り組みについて、出品者の一人、仲村ユキさん(82)は「おっかあ市が刺激となって、野菜づくりに関心が深まっている。今からもっと面白くなるはず」と期待する。
同市を運営する女性の会は、気軽な取り組みとするため代表を置いていない。メンバーの一人、宮城奈美子さん(36)は「みんなが自主的になり、イベントが良い感じで独り立ちしてきている。無理せず継続していきたい」と節目を喜び、金城ソノエさん(75)も「まだ道半ばだが、アイデアを出しながら元気な取り組みになっている。お年寄りの生きがいにもなっている」と話した。