八重山研究や芸術文化の振興に顕著な業績を挙げた人々に贈られる第29回八重山毎日文化賞(八重山毎日新聞社主催)の贈呈式と祝賀会が24日、市内のホテルで開かれた。
今回は新城島(パナリ)の歴史を後世に伝えるため、研究や執筆に取り組んできた登野原武氏(84)=石垣市石垣=と、八重山古典民謡の底辺拡大に力を注いできた宮良長久氏(79)=同=に正賞、八重山上布の第一人者の平良蓉子氏(79)=石垣市真栄里=に特別賞を贈った。
贈呈式で本社の黒島安隆社長は受賞者の功績と人柄を紹介し、「今後ますますのご健勝とご活躍を期待している」と激励。仲井真弘多県知事(呉屋幸一県八重山事務所長代読)や八重山広域市町村圏事務組合理事長の中山義隆市長も祝辞を述べ、3氏の業績をたたえた。
正賞の登野原さんは「身に余る光栄。これまでの歩みや足跡を高く評価していただき、感謝している。正賞に恥じないようにこれからも努めていきたい」、同じく正賞の宮良さんは方言で「何よりも家族の支えと協力があり、今日まで三線を続けて来られた。今後も力のある限り、後進の育成に励みたい」と抱負。
自身で織り、仕立てた八重山上布の着物と帯で出席した特別賞の平良さんは「好きで始めた織物でこのような賞をいただくことができ、喜びでいっぱい。後輩たちの指導をしながらできる限り続けていきたい」と述べた。
引き続き行われた祝賀会は八重山古典民謡保存会と宮良長久門下会による「鷲ぬ鳥節」や「鶴亀節」で幕開け。新城知子八重山舞踊稽古場や石垣在新城郷友会、石垣在小浜郷友会が歌や踊りで祝賀会に花を添えた。