関東・甲信地方の大雪4日目にして調査団を派遣するとニュースで知り、驚いた。凍死者、孤立者、食料不足など深刻な状況が報じられているのだ。政府の危機管理はどうなっているのだろう▼積雪114㌢という歴史的な大雪に見舞われた山梨からは、携帯電話のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通し、雪に押しつぶされた家屋など、被災状況が次々と送られてくる▼八重山にも大雪被害に遭っている地域の出身者がいる。故郷の状況にやきもきしているだろう。雪で孤立した地域に自衛隊が入ったと聞くが、詳しい状況はまだよく分からない▼移住してきた人から「オリンピックどころではない。もっと被災地に目を向けて」という嘆きの声があった。八重山ではこれまで何度か似たような経験をしている▼雪と台風は異なるが、自然災害である。かつて大型台風が八重山に接近してもその位置は沖縄の南と報じられ、大きな被害を生じても、本土のテレビに流れる時間はごくわずかということもあった▼離島のため、郡民の多くがこれまで何度も災害時の孤立や食料不足、急患対応などの事態を経験している。今回、被災地の役場自体が雪のため、指示機能が低下しているところもあるという。そのままだと大雪被害はさらに拡大しそうだ。(黒島安隆)
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