一昨日はグショウのションガチ(あの世の正月)にあたる十六日祭(ジュウルクニチィ)で、ポカポカ陽気の絶好の日和に恵まれ、各地の墓地はすごい人出だった▼正月、旧盆に次ぐ今も盛んな行事で、正月には帰郷しない子や孫たちも十六日祭に合わせて帰って来る地域も。格安航空のおかげで本島から日帰りで帰省したという友人もいた▼今年は土曜日だったが平日だと学校や職場は午前中、お店や食堂なども臨時休業が多い。また地域の行事で休刊日となるのは新聞協会加盟社の中で本紙だけらしい▼昼すぎから家族、親戚が墓に集まりごちそうを供え、ウチンガビ(紙銭)をたいて祖先を供養した。バンナ岳近くの墓地周辺は道の両脇に車がびっしり駐車し、通りがかった観光客も驚いたのでは▼また県外から移り住んだ友人から「石垣の人はオードブルが好きなんですかね」と不思議そうに聞かれた。十六日祭に限らず行事前の新聞にオードブルの広告が盛大に載っているのを見て思ったそうだ▼共働き家庭が多くなり主婦にとっては手っ取り早くて経済的にもありがたく、各行事に合わせたオードブル利用が増えた。確かに便利だが十六日祭に作られるソーギナー(フダンソウ)の炒め煮など八重山ならではの料理が受け継がれなくなるのではと心配になる。(辻本順子)
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