八重山はたばこのポイ捨ては普通にやっていることだろうかー。世界的なベストセラー作家村上春樹さんの短編小説をめぐり、北海道中頓別町の議員らが発行元に抗議の質問状を送る騒ぎになっている▼それは文芸春秋の昨年12月号に掲載された「ドライブ・マイ・カー」で、たばこのポイ捨てを「中頓別町では普通にやっていることなのだろう」の記述があり、これに同町の議員らが「普通にやっていない。町のイメージを損ねるもの」と反発▼これに対し村上春樹ファンのハルキストらは、「小説の世界なのに大げさすぎる」と擁護し、賛否の意見が相次いでいるというものだ▼結局同問題は、村上さんが「単行本にするとき町名を変える」と謝罪コメントを発表したことで一件落着の見通しだが、さて八重山はたばこのポイ捨ては普通なのだろうか▼近年は喫煙者が減ったせいか、あるいはマナーが良くなったのかそれほど見られない。しかし空き缶のポイ捨ては、これは別に八重山だけではないが、あちこちの散乱ぶりを見ると普通にやっているように見える▼ごみのポイ捨ても同様、それは「150万人観光都市」を目指すまちとしていかがなものか。誰にであれ観光地は悪い印象をもたれないよう、みんなで日ごろから美しいまちづくりを心がけたい。(上地義男)
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