【西表】情報通信技術を活用し、遠隔地でも都市部と同様の仕事が可能であることをアピールする「西表島大原シェアオフィス」が29日、大原公民館の向かい側に開所した。国の地域創生加速化交付金を活用した町の就業創出・移住定住促進事業の一環として整備され、テレワーカーの共同就業や情報交換の場、地域のパソコン教室などとして活用される予定だ。
本年度は、沖縄セルラー電話㈱と㈱ブルー・オーシャン沖縄、ネットワンシステムズ㈱が事業を合同受託し、事業費約4300万円をかけてホームページ(HTML)作成や、フォトショップデザインなどの講座をシェアオフィスで開講、受講者はテレビ電話会議システムなどを活用して講義を受ける。
講座は8月25日から12月24日までの4カ月間が予定されており、すでに26人の応募がある。応募者の一人でことし6月に千葉県から移住した後藤陽介さん(31)は「現在のICT環境でもできることはたくさんあるので、いろんなことを学びたい」と意欲をみせた。
昨年度は在宅コールセンターオペレーター育成の講座を10人が受講し、修了した5人がNTTコムチェオと個人事業主として業務委託を受け、在宅テレワーカーとして電話でインターネット接続などをサポートしている。
開所式で東金嶺肇企画財政課長が川満栄長町長のあいさつを代読、「働きやすい環境を整備していくために、パソコンを活用した新たな職種を促進することは竹富町全体が豊かになることにつながると確信している」と述べた。
施設を管理するブルー・オーシャン沖縄の神谷千鶴代表取締役は「竹富町の雇用を促進し、地域に貢献していきたいと考えており、弊社の支店も開設することになった。初のIT企業として責任を持って取り組んでいきたい」と話した。
施設内は24席あり、Wi−Fiも整備。受講生以外の住民や観光客も利用可能となっている。