世界中でブームを起こしている「ポケモンGO」で、石垣市川平の御嶽がゲームのアイテムをゲットできる場所に設定されていることが分かり、御嶽を管理する氏子らは28日、御嶽の周囲にロープを張り巡らせるなどの措置をとった。川平公民館の糸数靜雄館長は「神様のいるところがゲームに設定されていると聞いてびっくりしている。ゲームから除外してもらいたい」と話している。
ポケモンGOは、現実世界を歩くことでスマホ画面上に現れるポケモンを集めるゲーム。全国各地で、神社や公園などの施設がアイテムを取得できる「ポケストップ」やバトルが楽しめる「ジム」に設定されている。
川平には四つの御嶽があり、それぞれ年間26の神事を執り行う神聖な場所。そのうちの1カ所がゲーム内の施設に設定されていることが確認された。この御嶽には以前から立て看板で「拝所内 許可なく立ち入りを禁ず」と注意を呼び掛けているが、御嶽内に入ってゲームを楽しむ人がいたという。
糸数館長によると、27日午後、住民から「アイテムをゲットするため御嶽に入っている観光客がいる」との連絡があった。28日もロープを設置している最中に御嶽を訪れようとする親子連れの観光客を確認、糸数館長らが「ここには入ってはいけません」と注意した。
氏子の糸満英憲さん(67)は「御嶽は集落の人たちの精神的なよりどころとして、ずっと守り続けている神聖な場所。草木1本でも折ったり、切ったりしてはいけない。それなのにずかずかと入り込んで来るのは不遜な行為」と不満をあらわにしている。