任期満了に伴う竹富町長選は来月28日の投票まで1カ月を切った。そこで告示を前に過去の町長選挙を振り返ってみると、今回の選挙は1972年の本土復帰以降12回目▼最多当選は友利哲雄氏の4回連続、次いで瀬戸弘氏の3回連続、現職川満氏の2回連続と続く▼同町は友利氏勇退後3期連続で1期4年交代の「短命町政」が続いていたが、前回選挙で川満氏が2度目の“三つどもえ戦”を制して再選され、このジンクスを破った▼同町長選も従来、「役場移転」を主な争点に保・革あるいは与野党対決の構図が続いていたが、近年はその構図が崩れ、「町長派対反町長派」の様相となっている。その象徴が前回だ▼与党との事前調整もなく、突如川満町長が役場移転の支所建設費を計上したため、12人の議員中与野党の8人が反発、対立候補を擁立したが惨敗。味方議員わずか4人の川満氏が強さをまざまざと見せつけた。しかも前回は台風のため、投票日が1週間延期される異例の選挙となった▼結局その惨敗のトラウマに住民投票の結果が加わり、反町長の野党議員らは今回、川満氏への対抗馬をまだ擁立できていない。もし無投票なら友利氏の4選以来24年ぶりとなって瀬戸氏に並び、友利氏に続く長期政権が視野に入る。野党議員は意地をみせられるか。(上地義男)
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