石垣島と西表島の間の東西約20㌔、南北約15㌔に広がる日本最大のサンゴ礁海域「石西礁湖」などでサンゴの白化現象が進んでいることが、民間の調査会社の調べで26日までに確認された。環境省石垣自然保護官事務所によると、水深の浅い沿岸域で白化の被害がみられるという。高水温が原因とみられる。8月まで晴れの状態が続く見込みで、被害の拡大が懸念されている。同事務所は、毎年行っている石西礁湖でのモニタリングを同日から開始、1カ月間の調査で白化の状況を把握していくことにしている。
沖縄気象台によると、八重山地方の6月の平均海面水温は29.785度で平年値より1.324度高く、1982年の観測開始以来最高を記録。7月は31度前後で推移している。台風の接近が少なく海水がかき回されないため、連日の日射で高水温が続いている。1カ月予報でも8月まで高気圧に覆われて晴れの日が多いことから、今後も高水温が続く見込み。
海洋環境調査会社「海游」の吉田稔代表によると、7月中旬から石西礁湖や名蔵湾北、冨崎周辺の水深5㍍以下の海域で白化が見られるようになった。ミドリイシのほか,、ハマサンゴにも被害を確認。吉田代表は「今は初期か中期。あと10日もすれば深刻となり、最悪の状態になるのではないか」としている。
自然保護官事務所によると、石西礁湖は1998年と2007年の白化、08年ごろからのオニヒトデ大発生で被害を受けたが、ここ数年は回復の兆候がみられていたという。若松徹上席自然保護官は「ここ3年ほどは、大量発生したオニヒトデが終息し、サンゴも回復しているが、出てきた芽が摘まれるのではないか」と懸念する。
モニタリングは、35地点の造礁サンゴの経年変化を把握する目的で行われており、今後の調査で石西礁湖内での白化率も確認する。若松上席管は「調査結果を石西礁湖自然再生協議会に報告し、対応を協議したい」としている。