飲酒運転の車の後方を走るとその状態がわかるという。中央線に寄ったかと思うとさらに路側帯にと蛇行しながら運転している▼先日、本島南部の県道で、飲酒運転と思われる軽トラックに遭遇した。遅い速度での蛇行運転。ひやひやしながら追尾していくと、ほどなく農道沿いの集落に消えた。一歩誤れば危険な行為が気になった▼昨年、県内で発生した交通死亡事故に占める飲酒がらみの事故の割合が、4年ぶりに全国ワーストとなったことがわかった。飲酒運転に対する県民の認識の低さがあらためて浮き彫りになった▼県内では昨年、51件の交通死亡事故が発生し、52人の尊い命が失われた。飲酒がらみの死亡事故は全体の19・6%(10件)で全国平均6・6%の3倍。八重山署管内では、飲酒がらみで4件の交通事故が発生している▼改正道路交通法では、酒酔い運転で5年以下の懲役、または100万円以下の罰金、酒気帯び運転は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となる。飲酒運転で死亡事故を起こした場合に適用される自動車運転死傷行為処罰法は、最高刑で懲役15年と罰則が強化されている▼飲酒運転は一瞬にして人生を棒に振りかねない。加害者の「つらく悲しい思い誰もしないで」という涙の訴えを忘れてはなるまい。それでも飲酒運転しますか。(鬚川修)
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