自分の話し声の録音を聞いて自己嫌悪に陥ることがある。まず早口、加えて方言交じり、抑揚も怪しく、語尾は不明瞭ときている。よく聞き返されるのは、そのせいかも▼こんな話しぶりを周りの皆さんは、よく聞き取り理解してくれているなと思うと申し訳ない思いに駆られる。そこで自分の話し方を少しでも改善すべく平素から一語ずつはっきり、ゆっくりを実践してみるのだがそう簡単に直せないのも事実▼近年、日本語でしゃべると、それを外国語に変換し発声してくれる翻訳機なるものが売られている。ついでながら私のように田舎丸出しで共通語に劣等感を抱えている人のために、なまりや不明瞭な発音を修正してくれる日本語音訳機があるといいのだが▼カラオケへ行くと「君の歌声は普段の話し声からは想像できないほど明瞭になるが、意識しての発声か」と尋ねられることがある。そう言われても、どうしてこうなるのか知りたいのは、むしろこちら▼当の本人は、曲調に遅れないよう色指示された歌詞を追っかけるのに必死で、何かを考えている暇などない▼「歌い終えてウナーグ(ほっと)しました」と方言交じりで結んだら、東京からの客が「いいねー君の話し方、心が休まるよ」、えっ地のままでいいの? なまりは悩む必要なしっていうこと…?。(仲間清隆)
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