神戸市を拠点に全国で85店舗を展開する大手洋菓子メーカー㈱エーデルワイス(比屋根毅会長)が創業50周年を迎えるのを機に、本島に第1号となる店舗を出店すると同時に、石垣島への出店も視野に検討していることが10日、創業者の比屋根毅会長(78)=石垣市登野城出身=への取材で分かった。石垣への出店について比屋根会長は「石垣島の伝統を感じさせるものや名産を取り入れ、本土の空気感を味わえるような形にしたい」と展望を語った。
本島への店舗について比屋根会長は「10日に沖縄進出に関するプロジェクトを本社で立ち上げた。諸条件が整えば本島では自社工場付きの店舗を建設。デパートへの出店は那覇市のリウボウで検討している」と、初めて具体的な内容を明かした。
現時点で本島への工場兼店舗構想は、約300坪の敷地を確保するため条件面のすり合わせを行っている段階とし、投資額は約2~3億円を見込んでいるという。
また石垣市への店舗について、具体的な内容は明かさなかったものの、同じく工場兼店舗を建設するほか、南ぬ島石垣空港への出店も視野に進める方針だ。
比屋根会長は「帰島するたびに経済界や県を代表する方々から要請を受けていた。会社も2年後には50周年を迎えることから、恩返しの意味で決意した」と説明。石垣島への出店には「(自身が)もう少しで80歳を迎えるので、郷里に錦を飾りたいという気持ちが強い」と話した。
兵庫県洋菓子協会会長として関西の洋菓子メーカーをリードする比屋根会長は、欧州のメーカーに職員を派遣して技術向上を図るなど、職人の人材育成でも定評があり「(進出は)県全体の技術レベルが上がり、洋菓子界の活性化と雇用創出に貢献できればうれしい」と意欲をみせた。
エーデルワイスは1966年に兵庫県尼崎市で創業。自社ブランドの「アンテノール」や欧州の老舗チョコレートメーカーと業務提携し、関西を中心に人気を誇る洋菓子ブランドに成長。年商は約140億円で従業員は約2000人。