石垣島への自衛隊配備計画をめぐり13日の6月市議会一般質問で中山義隆市長は「安全保障は国の専権事項。住民投票はなじまない」と答弁。自ら発議しないとし、議会の意見は尊重するとの考えを明言した▼これまでの市長の言動などから大方予想された発言ではあるが、答弁の「安全保障や防衛は日本全体に関わること。それを一地域の住民投票でイエス、ノーの判断をするのはそぐわない。危険だ」との内容に違和感を覚えたのは筆者だけだろうか▼この答弁内容からすると、一地域の住民は自らの地域の安全な暮らしと平和構築のために意思表示さえ許されず、国の専権事項だから口出しはできないということか。相通じるとの思いですぐさま頭に浮かんだのは、先の大戦で本土防衛の名の下に沖縄を捨て石にした責任者たちの言動だ▼とりわけ戦後の沖縄は、日米安保の軍事的な要石(かなめいし)として重圧に耐え、その現実は今も変わらない。だからこそ沖縄の政治家には他の地域よりも求められているものがある▼国内唯一の地上戦という洗礼。二度と悲惨な戦争はということについては保革を問わず、天命を負っているとの使命感を自覚すべきではないのか▼自衛隊の配備計画は八重山の未来を決める大問題。市民の心を行政に反映させる6月市議会の論戦を望みたい。(鬚川修)
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