西海区水産研究所亜熱帯研究センター石垣支所=石垣市桴海=がことし4月1日に旧八重山栽培漁業センターの国立研究開発法人水産研究・教育機構西海区水産研究所亜熱帯研究センター八重山庁舎(照屋和久センター長)に移転したのを受け、石垣市が旧石垣支所施設の活用に向けた検討に乗り出している。市は「水産に特化した研究施設や専門学校の誘致など、多岐にわたる可能性がある」(南風野哲彦企画政策課長)としている。(砂川孫優記者)
同八重山庁舎によると、サンゴや魚類などの水産資源管理を研究する旧石垣支所は、業務の効率化を目的にした組織改編で統合された。
同庁舎は、約2万平方㍍の土地と建物は国に返還される見通し。市は、同施設に備わっている水産研究機能をどのような形で活用できるか検討を始めており、具体的な方針が決まった段階で国と調整する見通しだ。
八島町の種苗供給施設でアカジン(スジアラ)の陸上養殖に取り組んでいる市水産課は「市の予算との兼ね合いもあるが、(旧石垣支所の)施設を生かした陸上養殖などの可能性も広がる」(平良守弘課長)と話している。
同庁舎の照屋センター長は「(統合によって)石垣支所でできなかった研究に幅が広がる。地元に広く知られる施設にしたい」と今後の展開に期待を寄せる一方、旧支所の活用にも「多方面で大きな可能性を秘めている施設」と期待を寄せる。