朝のささやかな楽しみの一つは、NHKの連続テレビ小説をみること。現在は「とと姉ちゃん」が放映されている。「暮しの手帖」の創刊者である大橋鎭子、花森安治をモチーフとしたフィクションドラマだ▼先日、こんな場面があった。きれいな包装紙をもらったときに雑誌や本のカバーにしているという東堂先生(片桐はいり)が、教え子の主人公常子(高畑充希)に何げなく言ったセリフ▼「ささやかですが、こうした心がけが小さな幸せを生むと私は思っています」。感受性豊かな常子の琴線に触れた。筆者もハッとした。当たり前だが、日常は映画やドラマのようにはいかない。単調にみえる▼しかし、「ささやかな心がけ」という視点でみると、また違った世界が見えてくる。例えば、小学1年の次男を学校まで送るときにみる光景。校門の前で校長や児童、ボランティアの交通指導員らが「おはようございます」とあいさつし、ハイタッチで迎える。いつもよりほほ笑ましく思えた▼自身のささやかな心がけ、周囲へのささやかな心遣いで、日常生活の中に小さな幸せを見つけたり、感じたりすることができる▼東堂先生の言葉からそう感じたが、はて、自分はどうか。自身のささやかな楽しみはあっても…。ハッと気づき、反省させられた。(比嘉盛友)
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