今回の県議選の結果は今月22日公示、来月10日投開票の参院選で3期目を目指す自民党県連会長でもある現職閣僚の島尻安伊子沖縄北方担当相(51)にとってさらに厳しいものとなった▼沖縄の自民党は安倍政権誕生後、米軍普天間飛行場の「県外移設」公約を破った前知事や国会議員らが、翁長雄志知事ら「オール沖縄」勢力に相次いで敗れ、“逆風”の中にある▼その中で島尻氏は率先的に公約を破棄した上、その後の言動が「島売り大臣」と週刊誌に揶揄(やゆ)されるほど、辺野古反対派から反発は強い。それが自らの選挙目前の県議選で“知事派”が大勝したのだから、逆風も逆風だ▼確かに島尻氏は、沖縄の民意を無視する安倍政権に同調。辺野古の反対運動に対する警察や海保の警備強化を求めたり、知事が国と対立している状況が「沖縄予算に悪影響」を示唆するなど、県民代表と思えない言動に批判は少なくない▼安倍政権はこうした沖縄での辺野古移設などの起死回生のため、島尻氏を大臣に起用し3選を期した。ところが基地あるが故の米軍犯罪がまたも相次ぎ、むしろ政府への怒りが高まっている▼その中で島尻氏の子どもの貧困対策予算がどう評価されるか。辺野古移設に危機感を強める安倍政権がどういう秘策を出してくるかが参院選の鍵だ。(上地義男)
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