八重山農林高校(渡久山修校長)は6日、植物スピーカーとして知られる熱帯・亜熱帯植物「カークリコ」の栽培を開始した。同日、西表島でカークリコを栽培する西表ジャングルファーム(高田見諒代表)から100株の提供を受けた。グリーンライフ科が栽培を担当する。県内の農林高校では初の試み。同科の石川大樹教諭は「試験栽培を通してカークリコの増産に取り組み、生産する担い手を育てることができれば」と意欲的だ。
高田代表によると、カークリコの原産は赤道に近い東南アジアやオーストラリアなど。国内では主に生け花用の需要が高く、八丈島や天草、沖縄本島や石垣、西表島などで栽培。東京の大田市場では高値で取引されているという。
カークリコの栽培は、「植物スピーカー」を開発した㈱ANA総合研究所の古賀敬司主席研究員を介して実現。古賀研究員の助言を受けながら栽培技術習得から増産、販売まで取り組む考え。
古賀研究員は同日午後、同校視聴覚室でカークリコが持つ可能性や栽培方法について説明したほか、CDデッキやアンプから流れる音楽を植物スピーカーで振動させてカークリコの葉に伝える仕組みを紹介した。
古賀研究員は「カークリコの可能性は高く、卸市場でも高値で取引されている。換金作物として生産するチャンスは高い。広めてほしい」、高田代表は「市場は、葉が大きなカークリコを求めているが、供給が追いついていない。そこにチャンスはある」と期待した。