思わずぷっとふきだしてしまうのが毎年恒例の「サラリーマン川柳」。第1位が「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」2位は「じいちゃんが 建てても孫は ばあちゃんち」—どちらも家庭内での夫の悲哀を自虐気味に表現▼1位の句は、何かと話題の小型無人飛行機「ドローン」と消えていなくなるドロンを引っ掛け、増えている熟年離婚の嘆きを詠んでおり、定年近い世代は笑えないかも。他にも喪失感漂う現代を浮き彫りにした作品に感心する▼最近ニュースなどでシニア世代をとりまく厳しい実情を表す「下流老人」「キレる老人」「老老介護」、あてにならない年金、不安定な所得、病気のため生活が困窮した揚げ句に破産する「老後破綻」など気になる言葉を耳にする▼厚労省の調査で65歳以上の世帯で「生活が苦しい」と感じている割合が58.8%、生活保護を受けている高齢者が2013年には過去最高の88万人もいるのにも驚く▼石垣でも単身高齢者や高齢者のみの世帯が年々増えており、また結婚した息子や娘夫婦、孫が経済的に苦しいため親が面倒をみるケースも▼子どもの貧困率が沖縄は全国一だが、高齢者の貧困対策も考えないといけないのでは。老後は健康で最期はPPK(ピンピンコロリ)が理想だが、こればかりは思い通りにいかないのが世の常?(辻本順子)
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