ひとり親世帯の家計を支援する児童扶養手当法改正案が今月初めの参院で成立し、支給額が増額されることになった▼第1子の月額4万2千円は現在と同じ据え置きだが、第2子は現在の最大5千円が1万円、第3子以降は3千円が6千円と共に倍増となり12月支給の8月以降分から適用される▼これは特に母子世帯で「子どもの貧困」が深刻なことから増額された。当の母子家庭からは「助かる」と喜ばれているが、NPOなどの支援団体からは「貧困解決にはまだまだ」と一層の支援を求める声が多い▼食事は給食だけ、病気でも病院に行かない、学校にも部活にも行かず深夜はいかいで補導、高校・大学には進学しないなど、子どもの貧困は共働き世帯にも広がっているが、母子世帯はそれが55%に上るという▼その児童扶養手当を受給する母子世帯は、石垣市も2012年の701世帯が15年は791世帯にまで増えた。今回久しぶりに同手当が増額されるが、それは3人の子どもで年間9万6千円、1日約260円にしかならない▼石垣市の母子世帯は当分減る可能性は少ない。どんな境遇に生まれても未来を担う子どもたちが満足に食事ができ、勉強やスポーツ、就職にチャレンジできる環境づくりが求められている。石垣市は今の支援で十分だろうか。(上地義男)
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