新川にお住まいの知人女性から電話をいただいた。憤まんやるかたなく「ホウオウボクがかわいそう。市役所にもの申してちょうだい」と言う。筆者はかつて関係課を担当したことがあるので自省の念を込めて書く▼彼女の指摘はこうだ。産業道路の沖電石垣営業所から西へ石中東通り交差点までの間、街路樹のホウオウボク35本が軒並み丸裸にされ、せっかくの緑陰が消えた▼「これから猛暑を迎え、木陰が必要な時というのに」。彼女は昨年、みずから市役所を訪れ担当課に緑の大切さをこんこんと説いたそうだ。「なのにひどい」と▼確か、作業する側の言い分は、「枝が暴れるので台風シーズン前に剪定(せんてい)する」という理由だった。だが、これは剪定じゃない。情け容赦ない丸裸だ▼いくら剪定に強い木といっても繰り返せば樹勢が衰え、枯死する。健康福祉センター東通りのホウオウボクは、剪定と台風にやられ、この10年近く花を咲かせたことがない。県道でも桟橋通り(大川富野線)の八重農東通りが同じ状況だ。市も県もそろっていじめる街路樹。何のために税金を使って植えたか、管理は適正か、検証しなければなるまい▼緑こそが都市の風格をはぐくむ。杜の都・仙台は一日にして成らず、ケヤキと戦後の長い年月がつくった。石垣もそうありたい。(慶田盛伸)
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