「今どきの若い子は本やCDを買わないらしいね」と友人が言う。本やマンガ、ニュースを読むのも、音楽を聴くのも最近はスマートフォンがあれば間に合う▼すべてがそうだとは限らないが、多様なメディアの発達で書籍や新聞の魅力が薄れたという人も多いだろうし「活字離れ」もよく指摘される▼でも活字はスマホより、本を手に取ってページをめくりながら追う方が深く味わえると思うのだが、世代の違いなのだろうか▼12日まで「こどもの読書週間」。子どもたちにもっと本を、子どもたちにもっと本を読む場所を、との目的で1959年にスタート。ことしは「四角い本にまあるい心」を標語に各地でイベントが行われている▼市立図書館でも「おはなし会」や図書館利用の少ないヤングアダルト世代向けの多彩なジャンルの本を集めた企画展を開催。中高校生が興味深そうに見入る姿も。また市文庫連絡協議会の毎年恒例、22回を数える「文庫まつり」も大勢の親子連れで盛況だった▼今ごろになって後悔するのも遅いが、子どもの頃にもっと本をたくさん読んでおけばよかったとの思いは強く、身近な子どもには「いろんな本を読んだ方がいいよ」と薦めている。新しい発見が多い書店や、図書館に足を運んで心に残る、心を揺り動かされる本と出合ってほしい。(辻本順子)
↧